*警告*このブログには自殺、流血、薬物、飲酒、精神病治療のシーンが含まれます自己の責任で対処できる方、小説と現実の区別がつく方のみ閲覧して下さい。
暖かい。
ほわほわと岩盤浴でもしてるみたい。
ああ、気持ちいい。
さっきまでの緊張が嘘のよう。
. . . 緊張?
私は何を緊張していたんだっけ?うーん何かしてた?
一生懸命. . . . . .
「あ!しまった!!」
跳ね起きるとツルリと手が滑り再び床に転がる。
頭蓋骨に響く音。
頭を打ったみたい?けど、痛みは感じない。
左腕を持ちあげ目の前にかざしてみた。
「ああ、良かった. . . 」血液はまだ勢い良く流れ出していた。
ブランデーをがぶ飲みし、血行を良くしただけのことはある。
深く切り込んおいたとはいえ、所詮は静脈だ。いつ自然に止血してしまうか、その点が気がかりだった。
ごく健康体である私は貧血を経験したことさえない。34才にもなるのに素顔の頬はほんのりピンク。血色良く、おかげで年齢よりずっと若く見られた。
しかし、どんな健康で頑丈な人間でも血液の何十パーセントを失えば死んでしまう。確実に死んでしまうのだ。
床に広がった血溜まりの中で、私は安心感に浸っていた。これだけ流れ出れば上手く行くだろう。
もう得体のしれない恐怖も、
うるさく鳴り響く電話も、
眠れぬ夜を襲う孤独も. . . . . .
何もかも追っては来ない。
私だけの暗闇に逃げ出すのだ。
逃げ出せる。
ああ、良かった。
. . . あ、右手の血が止まっちゃってる?もう一刺しして血管を完全に断ち切って. . . . . . ホントは動脈切れたら良かったのになぁ。深くてどうしても届かないんだもの。
疲れた私は静脈を切ってみた。
思いのほか勢い良く血が噴き出してきた。
「けど、上手く行った. . . 」
呟くと、安心して再び力が抜ける。
ああ、眠い. . . . . . 眠い. . .